不妊治療の2段階とは?次に進むタイミングや費用についても解説

不妊治療 段階

『不妊治療』と一口にいっても、はじめたばかりの方やこれからはじめる方は、どのような治療方法があるのか知らないことも珍しくはないでしょう。

不妊治療は大きく2段階に分かれており、そこから細かく4ステップに分かれています。

この記事では、不妊治療を始める前にやっておくとよいこと、次のステップに進むタイミングやそれぞれの費用について解説します。

不妊治療を始めたいと思っている人、不妊治療のステップや進め方について詳しく知りたい人はぜひ最後までご覧ください。

不妊治療を始める前にやっておく3つのこと

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不妊治療をできるだけスムーズに進めるために、やっておいたほうがいいことがあります。

ここでは、不妊治療を始める前にやっておく3つのことを紹介します。

不妊検査

不妊治療を始める前には、必ず夫婦共に不妊検査を受けましょう。

不妊の原因はさまざまあり、女性側に問題がある場合・男性側に問題がある場合・双方に門外がある場合があります。

ただし、不妊検査をしても不妊の原因が分からないケースも多いです。

しかし、不妊検査をしっかりと受けておくことで、排卵や子宮、精子などに問題があれば不妊治療を始める前に治療ができます。

また、不妊の原因によって最適な不妊治療や治療の進め方が異なります。

不妊検査の結果を元に今後の不妊治療の進め方やスケジュールなどを医師と相談して決めましょう。

生理周期や月経日数の記録

不妊治療を受けるために病院に行くと、必ず初めに生理周期や月経日数などを聞かれます。

不妊治療や検査は女性の月経期や排卵日などにあわせて治療を進めて行くため、生理周期を把握することは不妊治療をスムーズに進めるためには欠かせません。

生理周期や月経日数がわかればいいため、カレンダーに記録したりアプリなどを活用したりして記録を付けておきましょう。

可能であれば、基礎体温も付けておくとより詳しく、排卵の有無・排卵日の推定・月経開始予定などが分かります。

また、妊娠の有無に関しても見極められるため、余裕があれば基礎体温も同時に記録しておきましょう。

不妊治療の辞め時を決める

「不妊治療を辞める時は子どもができた時」もちろんこれが理想ではありますが、なかには不妊治療を頑張っても子どもを授かれない場合があります。

不妊治療を始める際には、どのタイミングで不妊治療を辞めるのかをあらかじめ決めておきましょう。

不妊治療を辞めるタイミングは人それぞれです。

  • 一定の年齢に達した
  • 予め不妊治療に使う予算を決めて、その予算を使い切った
  • 妊孕性(妊娠するための力)の衰えが一定に達したら など

不妊治療を辞める目安としてよく使われるのは、年齢です。

女性が妊娠できる年齢にはどうしても限界があります。

不妊治療の成功率は30代後半で大きく低下し、45歳ごろになると1%程度です。

2022年より不妊治療も保険適用となりましたが、保険が適用される条件として43歳未満と年齢制限が存在しています。

これは、不妊治療成功率の低さや授かったあとの子育ての大変さなどが考慮されています。

不妊治療を行ううえで諦めずに根気よく続けることは確かに大切ですが、同じくらい辞め時も大切であることを知っておいてください。

不妊治療は大きく2段階に分けられる

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不妊治療は大きく、一般不妊治療と高度生殖医療の2段階に分けられます。

それぞれどのような不妊治療なのか、紹介します。

体外受精を含まない一般不妊治療

一般不妊治療とは、体外受精を含まない不妊治療でタイミング法と人工授精で妊娠を目指します。

一般不妊治療は、比較的簡単に治療が受けられ女性の負担が少ない不妊治療でもあります。

ただ『比較的簡単』といっても、成熟した卵子の排卵を観察する排卵モニタリングや、元気な精子を選ぶ精子洗浄濃縮法などの高度な生殖医療が必要な治療となっています。

一般不妊治療を進める際には、不妊の原因を突き止めることが重要であるため、まず以下のような不妊スクリーニング検査を行う場合が多いです。

  • 基礎ホルモン検査(脳下垂体ホルモン検査・黄体機能検査)
  • 甲状腺機能
  • 子宮卵管造影検査
  • 超音波検査(排卵時期・排卵後)
  • 尿中LH検査
  • 性交渉後検査(ヒューナーテスト)
  • 血液検査(高温期) など

排卵期などにあわせて検査を行う必要があるため、全ての検査が終了するまでに大体1〜2ヶ月程度かかります。

高度な技術を必要とする高度生殖医療

高度生殖医療とは、体外受精や顕微受精などの高度な技術が必要となる不妊治療です。

卵子や精子を体外へ取り出し、受精をして胚となったものを女性の子宮内へ移植します。

高度生殖医療を行うのは、一般不妊治療で妊娠できなかった場合や以下のような場合です。

  • 精子無力症や無精子症など男性不妊症で投薬などの改善が見られなかった
  • 卵管が狭窄・閉塞している卵管性不妊症
  • 抗精子抗体が女性側の身体に存在している免疫性不妊
  • 子宮筋腫や子宮内膜症で長期間妊娠に至らない難治性不妊症 など

一般不妊治療よりも成功率は高い傾向にありますが、女性への負担が多い治療法でもあります。

不妊治療の4ステップとそのタイミング

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不妊治療は大きく、一般不妊治療と高度生殖医療の2段階に分かれていますが、より詳しく見るとそれぞれ2つずつ、合計4ステップの治療に分かれています。

ここでは不妊治療4つのステップやそれぞれのステップに進むタイミングなどを紹介します。

ただ、2人の年齢や卵子・精子の状態によってはステップの順番などが異なる場合もあるため、医師と相談しつつ治療法を決めていきましょう。

1.排卵日に性行為を行うタイミング法

タイミング法は、生理周期や基礎体温を元に女性の排卵日を推測し、そのタイミングにあわせて夫婦で性行為を行います。

  • 不妊検査の結果、女性側に排卵があり男性側の精子に特に問題がないとされる
  • 不妊期間が短い
  • 夫婦ともに若い など

このような場合にタイミング法を実施することが多いです。

ある程度生理周期が安定していれば自分達でもできる方法ではありますが、超音波検査などをしながら排卵日を推測するため、成功率が高くなります。

場合によっては、排卵誘発剤などを使用して卵子の数を増やすことで精子と出会いやすくします。

タイミング法は、自然妊娠とほぼ同じで女性の体に負担が少なく、比較的費用も抑えられる治療です。

次の不妊治療に移るタイミングとしては、タイミング法を始めてから半年程度が目安となっており、半年程経過しても妊娠しなかった場合は次の人工授精法に移ります。

2.排卵日に子宮内に精子を注入する人工授精法

人工授精は、男性から精子を採取したうえで元気な精子のみを選び、女性が妊娠しやすいタイミングで子宮内へ注入する治療方法です。

精子の運動量が少ない場合でも、そのなかで運動量の多い精子を選抜でき、精子が子宮に到達するまでのサポートができます。

人工と付きますが、医師のサポートは精子を子宮に届けるまでであり、女性の身体に負担が少なく自然妊娠に近い不妊治療です。

また、子どもを望んでいるけれど男性側が単身赴任などでタイミング法ができない場合などは精子を冷凍保存して、実施することも可能です。

場合によっては、排卵誘発剤などを使用して卵子の数を増やすことで精子と出会いやすくします。

次の不妊治療に移るタイミングとしては、人工授精法を初めてから3〜5回程度が目安となっており、妊娠しなかった場合は次の体外受精・胚移植に移ります。

3.卵子と精子を培養液内で受精指せる体外受精・胚移植

体外受精・胚移植は、培養液内で採取した卵子に精子をふりかけ受精を見守り、受精したら胚(受精卵)を女性の子宮内に戻します(胚移植)。

受精自体は精子の力で行われ、受精後すぐに胚移植を行うのではなく、一定まで受精卵が育つまで最大6日程度は培養器で培養されます。

胚移植をする際には、子宮内膜が着床しやすい状態になっていることが重要です。

子宮内膜の状態がよければ採卵と同じ生理周期で胚移植を行いますが、場合によっては胚を凍結保存して、子宮内膜の状態を整える治療を行ったうえで胚移植を行います。

胚を凍結保存する凍結融解胚移植には、自然周期とホルモン補充周期があります。

自然周期は、自然な排卵周期にあわせて胚移植を行う方法で、使用する薬は少ないですが移植日の調節が難しく来院回数が増える場合が多いです。

ホルモン補充周期は、ホルモン剤を使用して胚移植を行う方法で、ホルモンを補充することで子宮内膜が妊娠しやすい状態にできます。

次の不妊治療に移るタイミングとしては、精子の運動量や医師との相談になります。

4.卵子に精子を直接注入する顕微授精・胚移植

顕微受精・胚移植は、卵子と精子を採取して元気な精子を1個選び、卵子に直接注入して受精させる方法で卵細胞質内精子注入法とも呼ばれています。

卵子を精子を人為的に受精させるため、不妊治療のなかでも成功率が高い方法です。

精子の運動量がかなり低い場合、妊娠へのタイムリミットが迫っている場合に選ばれることが多いです。

受精後は数日間、胚を培養して上質な胚を子宮に移植します。

子宮に移植する胚は1つのみです。

不妊治療の段階別費用

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不妊治療の段階別にどの程度費用が必要になるかは気になるポイントでしょう。

ここでは、不妊治療に関する保険適用後の費用について表で紹介します。

治療名保険適用後費用(1回)
タイミング法2,000円〜3,000円程度
人工授精19,800円程度
採卵77,000円程度
培養110,000円~187,000円程度
顕微授精55,000円程度
胚移植55,000円程度

上記はあくまでも目安です。

卵子や精子、子宮内膜の状態によっては排卵誘発剤などを使用するため、詳しい費用については治療方法などを決める際に確認しておきましょう。

まとめ

不妊治療は、大きく体外受精を含まない一般不妊治療と高度な技術を必要とする高度生殖医療の2段階に分かれています。

そこから、より細かくタイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精の4ステップがあります。

卵子や精子の状態、2人の年齢などによって体外受精や顕微受精などから始める場合もあるため、不妊検査の結果などを元に医師と相談して進めて行きましょう。

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