ピルで不正出血が!飲み始めにおこりやすい出血の原因と対処方法
ピルの服用を始めると、今までと違うことがおこる心配があります。
生理がなくなると説明を受けたのに血が出た!となると不安ですが、焦らず落ち着いて対処できるように原因を知りましょう。
飲み始めてすぐは、副作用としての不正出血がおこりやすい時期です。
この記事では、ピルの服用後におこる不正出血について詳しく紹介していきます。
ピルによる不正出血はいつおこる?
ピルを服用すると、月に7日間の休薬期間を設けますが、その間生理に似た消退出血と呼ばれる出血があります。
消退出血は、通常の生理に比べて出血が少なく期間も短い心配のいらない出血です。
休薬期間以外の出血は不正出血となりますが、ピルを飲み始めてすぐは消退出血と不正出血が続くことで生理が終わらないと感じるかもしれません。
服用開始の1~3ヵ月はからだが慣れていないため、ホルモンの影響を受けやすく不正出血を含む副作用が現れやすい期間です。
初めてピルを服用する人の20~30%ほどは不正出血があるとされ、からだが慣れてくるとなくなる傾向にあります。
少しの出血が2週間ほど続く人もいますが、正しく服用を続けると少しずつ治まってくることがほとんどなので、様子をみましょう。
長期間の連続服用をしていてからだがピルに慣れている人でも、ちょっとしたホルモンバランスの乱れで不正出血がおこることもあります。
数日で治まるようなら心配はいりませんが、長引くようなら医師に相談してください。
ピルの連続服用期間が長いから不正出血がおこるというわけではないため、もしかしたら他の原因なのかもしれません。
不正出血の原因
ピルを服用し始めてからの不正出血は、いくつかの原因が考えられます。
どのような原因があるのか知り、対処していきましょう。
ホルモンバランスの乱れ
1番に考えられるのは、ホルモンバランスの乱れによる不正出血です。
ピルは女性ホルモンを取り入れることで排卵(生理)をコントロールするため、元々のホルモンバランスが変化します。
女性ホルモンの変化により子宮内膜が不安定になると服用途中で生理のような出血がおこることもありますが、服用を続けてホルモンバランスが安定すると、不正出血も治まります。
飲み始めの時期は子宮の状態もさまざまで、子宮内に排出されずに残っていた経血が剥がれ落ちて不正出血となることもあるため、この場合は安定するのを待って様子をみましょう。
病気
不正出血が続くときに要注意なのは、病気が原因の場合です。
ピルの服用前から不正出血が多い人や定期的な検診を受けていない人は、注意してください。
3ヵ月以上続く出血があったり、おりものの色がおかしい、かゆみがある、腹部の痛みなどの症状があれば病気の可能性も考えられます。
生理が終わらないと感じるほどの不正出血が長引く場合は、婦人科を受診しましょう。
子宮の病気
- 子宮頸がん
- 子宮対がん
- 子宮内膜症
- 子宮筋腫 など
特に子宮頸がんについては、2年に1度の検診やワクチンを受けていない人は早めの受診をしてください。
卵巣の病気
- 卵巣嚢腫
- 多嚢胞性卵巣症候群
- 卵巣機能不全 など
これらの病気の治療のためにピルを服用することもありますが、服用後に発症する可能性もあるため1度受診して医師の診察を受けてください。
性感染症
- クラミジア
- トリコモナス
- 淋菌 など
これらの性病により子宮や膣が炎症をおこし、不正出血することがあります。
女性の場合は症状を感じない人も多く、感染に気付かないまま過ごしてしまうこともあるため、おりものの量や匂いなどの変化があれば医師に相談しましょう。
ピルの飲み方
ピルの飲み忘れが原因で不正出血がおこることもあります。
正しい飲み方をすればピルにより女性ホルモンが補充され、子宮内膜の成長が止められて生理がなくなります。
しかし、ピルを飲み忘れると女性ホルモンが不足して子宮内膜が不安定になり、途中で生理が始まる状態で不正出血につながるのです。
1日どころか12時間以上のズレは女性ホルモン不足の原因となるため、飲み忘れた分は気付いたときにすぐに飲んで対処する必要があります。
不正出血の原因が飲み忘れだった場合は、毎日決まった時間に飲み続けるという正しい飲み方を守れば、止まるでしょう。
また、飲む時間が決まっていなくて毎日バラバラの時間に飲んでいた結果の不正出血は、次に自然な生理が来るまで服用を中止しなければいけない場合もあります。
自己判断はせず、病院を受診し服用の仕方を医師に相談してください。
ストレスとの関係
ピルの服用をしていてもいなくても、ストレスは不正出血の原因になりやすいものです。
ストレスを感じると、脳の下垂体から出る副腎皮質刺激ホルモンが女性ホルモンの分泌を邪魔して排卵に影響し、卵巣機能が低下して不正出血がおこりやすくなります。
精神的に受けるストレス以外にも、睡眠不足や疲れ、食生活などの生活習慣の乱れもストレスとなる場合があるため、ストレスをためないよう心がけて不正出血を防ぎましょう。
飲み合わせ
ピルと他の薬またはサプリメントとの飲み合わせには、注意が必要です。
薬やサプリメントが原因で、不正出血がおこる可能性があります。
便秘薬などの下剤はピルの吸収を妨げてしまい、一時的に女性ホルモンが不足した状態になるため、不正出血につながります。
ピルと下剤は4時間以上の間をあけて服用することで、影響を受けないようにしましょう。
また、サプリメントの併用は医師や薬剤師に相談して、ピル服用の妨げにならないものを確認してください。
その他の原因
前述以外に考えられる原因として着床出血や流産など、妊娠に関する不正出血の可能性もあります。
ピルを飲んでいても避妊率は100%とは言えないため、心当たりがある場合は妊娠検査薬を使用したり、婦人科を受診したりして確認してください。
また、下剤を飲んでいなくても下痢症状や嘔吐などでピルの効果が弱まってしまうこともあります。
不正出血の特徴
ピルの休薬期間中におこる出血は消退出血という生理と似た少量の出血です。
休薬期間の2、3日後から始まり、5日ほどで終わります。
消退出血はピルの服用でおこるため、不正出血とは違い正常の反応です。
一方不正出血は副作用による出血で、2週間ほど続いたり、断片的に数ヵ月おこることもあります。
ここではピルの服用中に不正出血が出た場合、消退出血と違うと判断できるポイントを説明していきます。
服用期間
ピルの飲み始め、1シート目では不正出血がおこりやすく、多くは2シート目のうちに治まってきます。
1日~数日なら心配いりませんが、3シート目以降も続く場合は病気が原因の場合も考えられるため、医師に相談しましょう。
血の様子
おりものに血が混ざったような薄いピンク色から、茶褐色や黒っぽい色まで、不正出血とされる血の色はさまざまです。
鮮血のような場合もあり個人差がありますが、いつもと違うなどと感じたら、不正出血の可能性があるため注意してください。
通常の生理よりも不正出血の血はサラサラしていることが多いですが、個人差も多く当てはまらないこともあります。
出血の様子を観察し、量や色、期間、基礎体温、その時の体調などを記録しておくと受診の際役立つでしょう。
1ヵ月以上不正出血が止まらなかったり、激しい下腹部痛があったりする場合は早めに受診してください。
不正出血があったらどうしたらいい?
不正出血がおきたとき、どう対処すればよいのでしょうか。
焦らず落ち着いて、まずは何が原因なのか考えてみましょう。
出血の時期や血を観察することにより、対処法が見えてくることもあります。
ただし、自己判断で対処はせず不正出血がおきたら病院を受診し、医師と相談してください。
正しく服用を続ける
ピルを飲み始めの1~3ヵ月はホルモンバランスが安定していないため、ピルの副作用によりおこる不正出血の可能性があります。
この場合の対処法は、からだが慣れるまで正しく服用を続けていくことです。
毎日決まった時間に飲むことを徹底し、飲み忘れないように気を付けてください。
飲み始めてすぐは不正出血がおこるとピルの服用をしない方がいいのかと考えるかもしれませんが、ホルモン量が安定してからだが慣れると副作用としての不正出血は治まることがほとんどです。
なお、不正出血がおこってもピルの効果が薄れることはありません。
ピルの種類を変える
3ヵ月以上の連続服用をしても不正出血がなくならない場合は、ピルの種類を変えてみるのもひとつの方法です。
ピルに含まれるエストロゲンの量が少ないほど、不正出血がおこる可能性が高くなるため、他の種類のピルを試してみると不正出血が止まる人もいます。
不正出血が治まるかは個人差もありますが、医師に相談してピルの変更を試してみてはいかがでしょうか。
休薬期間を設ける
1シート(1ヵ月)のうち複数回飲み忘れたことが原因の不正出血の場合は、休薬期間を設けて一旦リセットします。
7日間休薬して、その後改めて新しいシートから始める方法です。
ホルモンバランスを安定させることが目的のため、改めて飲み始めたら決められた時間を守って飲み忘れを防ぎましょう。
ただし、この場合の休薬期間は避妊効果はなくなるため、他の避妊方法をおこなう必要があります。
まとめ
ピルを初めて服用して不正出血がおこったら不安になりますが、飲み始めはよくあることです。
休薬期間の消退出血と、生理が終わらないような不正出血の違いも、出血の色や量をよく見て観察してください。
心配いらないことがほとんどですが、万が一病気が隠れている可能性も考えて、不正出血が続くようなら病院を受診することをおすすめします。
不安なことは医師と相談して、安全にピルを服用しましょう。
三軒茶屋ウィメンズクリニックは、日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、日本生殖医学会認定 生殖医療専門医をはじめとする資格を持つ院長を中心とし、スタッフと共に一人ひとりの患者様と相談し合える婦人科を目指しております。
事前の血液検査や子宮頸がん検査を実施するなど、安全なピル処方と相談をしていただけるよう努めております。
ピルについての質問や不正出血についてお困りの方は、三軒茶屋ウィメンズクリニックへお気軽にご相談ください。
#ピル #不正出血
最近の投稿
最近のコメント
アーカイブ
カテゴリー
- カテゴリーなし