卵子凍結の病院の選び方!治療の流れや通院回数についても解説

卵子凍結についての説明をする医師と患者さんの写真

卵子凍結をするにあたり「いくつもある病院からどこを選べばよいのか悩んでいる」という方も少なくないのではないでしょうか。

卵子凍結する病院を選ぶ際は、料金・通院のしやすさ・病院のタイプ・治療実績や医師の信頼性の4つのポイントをチェックすることが大切です。

この記事では、卵子凍結をする病院の選び方について詳しく解説します。

卵子凍結の治療の流れやメリット・デメリットもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。

卵子凍結とは

卵子凍結についての説明をする医師と患者さんの写真

卵子凍結とは、卵巣から卵子を採取して凍結することです。

悪性腫瘍などの治療によって卵巣機能の低下が予想される場合に行う『医学的適応』と加齢による生殖機能が低下する前に妊娠の備えをしておく『社会的適応』の2つの目的があります。

若いうちに卵子を凍結しておくことで、将来の妊娠・出産に備えることが可能です。

卵子凍結のメリット

卵子凍結の主なメリットは、質の高い状態の卵子を将来の妊娠のために保存しておけることです。

卵子は加齢とともに質が低下し、妊娠率が低下し流産率が高まることが明らかになっています。

特に35歳ごろからその傾向が顕著にみられるため、将来的に妊娠を考えている方はなるべく若いころに卵子凍結をしておくことが望ましいでしょう。

卵子凍結は卵子を変質させずに長期保管することが可能なため、例えば30歳で卵子凍結を行い40歳でその卵子を使って妊娠する場合、30歳の頃の妊娠率が期待できるのです。

卵子凍結は「いますぐではないけど将来子どもを産みたい」と考えている方に選択されている方法です。

卵子凍結のデメリット

卵子凍結のデメリットとして、年齢制限が設けられていることが挙げられます。

一般社団法人日本生殖医学会倫理委員会の『社会的適応による未受精卵子あるいは卵巣組織の凍結・保存のガイドライン』には以下のような記載があります。

凍結・保存の対象者は成人した女性で、未受精卵子等の採取時の年齢は、40歳以上 は推奨できない。また凍結保存した未受精卵子等の使用時の年齢は、45歳以上は推 奨できない。

引用:社会的適応による未受精卵子あるいは卵巣組織の凍結・保存のガイドライン

上記はあくまで「推奨」であるため対応は病院によって異なりますが、ガイドラインに沿って年齢を制限し、卵子凍結は39歳まで、凍結卵子を使用した妊娠は44歳までとしている場合も少なくありません。

推奨年齢は加齢に伴う妊娠率や流産率の上昇を考慮しているもので、卵子凍結でなくても40歳以上の妊娠は母体合併症の増加などのリスクを伴うため注意が必要です。

また、卵子凍結は妊娠を保証するものではないことを理解しておく必要があります。

凍結した卵子を融解した後の受精率・妊娠率は100%ではないため、卵子は1つでなく複数個採卵して凍結しておくのが望ましいでしょう。

卵子凍結の妊娠率

卵子凍結の妊娠率は、凍結を行う年齢によって異なります。

以下は35歳までに卵子凍結を行った場合と40歳を含む年齢で卵子凍結を行った場合の生存率・受精率・妊娠率をまとめたデータです。

35歳までに卵子凍結を行った場合40歳を含む年代で卵子凍結を行った場合
凍結卵子融解後の生存率90~97%68.6~89.7%
凍結卵子融解後の受精率71~79%71.7~85.8%
凍結卵子融解後の臨床妊娠率36~61%3.3~10.8%

上記のデータを見てわかる通り、40歳を含む年齢で卵子凍結を行った場合の方が妊娠率が低くなります。

卵子凍結での妊娠を考えている場合は、35歳までのなるべく若い年齢で卵子凍結を行うのがおすすめです。

卵子凍結をする病院の選び方

ハートと聴診器が写ったクリニックのイメージ画像

卵子凍結をする病院を選ぶときのポイントは4つあります。

  • 料金
  • 通院のしやすさ
  • 病院のタイプ
  • 治療実績や医師の信頼性

ここでは上記4つのポイントについてそれぞれ解説します。

料金

卵子凍結は保険が適用されない自由診療のため、全額自己負担となります。また、病院によって料金が異なります。

卵子凍結にかかる料金項目例は以下の通りです。

  • 検査費用
  • 排卵誘発費用
  • 採卵費用
  • 卵子凍結
  • 凍結延長費用

採卵費用の相場は15〜50万円程度、卵子の凍結費用の相場は1個当たり1〜5万円程度ですが、採卵個数問わず固定の料金となっている病院もあります。

また病院によっては『○○歳以下限定プラン』など独自のプランを用意している場合もあります。

料金を比較する際は、卵子凍結にかかるすべての料金項目を含めた総額費用を確認しましょう。

通院のしやすさ

卵子凍結は4〜6回の通院が必要となるため、通院のしやすさを重視して選ぶことが大切です。

通いやすい病院の特徴として、以下が挙げられます。

  • 平日夜遅くまで診療している
  • 土日祝日も診療している
  • 駅から徒歩圏内
  • Webからいつでも予約できる

上記のような立地や診療時間などのほか、院内の雰囲気や医師・看護師の対応もチェックしておくと良いでしょう。

また待ち時間があまりにも長いと通院しづらくなるため、初診時にその点も確認しておくと安心です。

病院のタイプ

卵子凍結を行っている病院には以下のようなタイプがあります。

  • 総合病院:幅広い診療科目に対応しているため、病気が見つかった際にスムーズに対応できる
  • 産婦人科医院:妊娠や女性特有の病気を専門としているため相談しやすい
  • 不妊治療専門医院:不妊治療を専門としているため将来的に体外受精を行う際にスムーズに対応できる

上記それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った病院を選んでみてください。

治療実績や医師の信頼性

病院を選ぶ際は、治療実績や医師の信頼性をチェックしましょう。卵子凍結の実績数が豊富にあると安心して任せやすいです。

不妊治療の専門医である生殖医療専門医が在籍している病院なら、医師の高い知識や技術力が期待できます。

東京都の助成金を利用する場合の病院の選び方

卵子凍結についての説明をする医師と患者さんの写真

卵子凍結は東京都の『卵子凍結に係る費用の助成』を利用することで、治療にかかる費用負担を抑えることができます。

卵子凍結を実施した年度に上限20万円、次年度以降は保管に係る調査に回答した際に1年ごと一律2万円の助成金を最大5年間受取可能です。

助成金の詳細については、東京都福祉局『卵子凍結に係る費用の助成』をご確認ください。

なお、『卵子凍結に係る費用の助成』は対象の医療機関が決まっているため、『卵子凍結への支援に向けた調査事業登録医療機関一覧』のページから確認しておきましょう。

三軒茶屋ウィメンズクリニックも対象となっているため、助成制度を活用した卵子凍結をご検討中の方はお気軽にご相談ください。

卵子凍結の流れ

卵子凍結の治療をイメージした注射器とバイアルの画像

卵子凍結は以下の流れで行われます。

  1. 初診・検査
  2. 排卵誘発
  3. 採卵
  4. 凍結保存

ここでは上記のステップについてそれぞれ解説します。

1:初診・検査

卵子凍結をするにあたり、最初に各種検査を受ける必要があります。

クリニックによって実施する検査は異なりますが、主な検査内容として感染症検査ホルモン検査があります。

感染症検査は、感染症に罹患しているかを確かめる検査です。

感染症に罹患している場合、胎児に影響が出たり不妊症になったりする可能性があります。

万が一検査で感染症に罹患していることが分かった場合には、先にそちらを完治させてから卵子凍結を行う必要があります。

ホルモン検査は正確には『AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査』といわれるもので、血中のAMH値(卵胞から分泌されるホルモンの値)を測定して卵子数を推測する検査です。

卵子の数は胎生5か月ごろにピークを迎え、それ以降は加齢とともに減る一方となります。

AMH検査は、年齢相応の卵子数が残っているかを調べるためのものです。

検査結果により卵子の数値が平均より高すぎたり低すぎたりする場合には、排卵障害が疑われます。

検査結果に応じて適切な対応が必要となるため、卵子凍結をする際はこれらの検査を受けるようにしましょう。

2:排卵誘発

排卵誘発は卵子の排卵を促すための処置です。

排卵誘発方法には以下の2つの方法があります。

  • 自然周期:自然周期もしくは内服薬によって1~2個の採卵を目指す方法
  • 調節卵巣刺激法:内服薬および注射薬によって複数個の採卵を目指す方法

患者さんの希望や体調に合わせて排卵誘発方法が選択されますが、排卵誘発には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクがある点に注意が必要です。

卵巣過剰刺激症候群は、排卵誘発剤によって過剰に刺激されることにより、卵巣が膨れ上がってしまうものです。

お腹が張る、吐き気がする、尿の量が少なくなるなどの症状があり、万が一このような症状が現れたらすぐに医師に連絡しましょう。

3:採卵

経膣超音波の機器と採卵針を使い、卵胞液とともに卵子を吸引して採卵します。

採卵時に麻酔を使うかどうかは病院によって異なりますが、三軒茶屋ウィメンズクリニックでは全身麻酔によって行います。

麻酔なしでの採卵も可能のため、公式ホームページまたはカウンセリングで確認すると良いでしょう。

4:凍結保存

採取した卵子はガラス化法という方法によって凍結保存されます。

ガラス化法は耐凍剤溶液に浸した後、マイナス196度の超低温の液体窒素内で凍らせる方法です。

超低温で凍らせることにより細胞の化学変化が起こらないため、何かトラブルが起こらない限りは何十年も卵子を変質させずに保存できます。

まとめ

卵子凍結を行う病院を選ぶ際は、料金・通院のしやすさ・病院のタイプ・治療実績や医師の信頼性の4つのポイントをチェックしましょう。

料金は卵子凍結費用の他にも採卵費用や凍結延長費用などさまざまな費用項目が挙げられるため、すべての料金を含めた総額費用で比較検討するようにしてください。

また東京都の助成金『卵子凍結に係る費用の助成』を利用する場合は、対象の医療機関が決まっているため、東京都福祉局に掲載の『卵子凍結への支援に向けた調査事業登録医療機関一覧』から選ぶ必要があります。

三軒茶屋ウィメンズクリニックは上記の助成金に対応しているため、助成金を活用し費用負担を抑えて卵子凍結を行うことが可能です。

患者さん一人ひとりの気持ちを尊重して誠実な医療をご提供しているため、卵子凍結を検討している方はぜひ一度当院までご相談ください。

#卵子凍結 #凍結卵子 #不妊治療 #生殖補助医療

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