着床は性行為から何日後?受精から妊娠成立までの流れ

お腹の前で両手でハートマークを作る女性の画像

妊娠を望んでいたら、『赤ちゃんができたか早く知りたい!』と願うと思います。

性行為後、何日くらい経てばわかるのか、気になるところです。

『受精卵が着床すれば妊娠成立』と言われても、ピンとこないかもしれません。

この記事では、性行為から着床までの詳しい流れについて紹介します。

妊娠までのプロセス

夕日が差し込むの森を背景に手をつなぐ二人の画像

まずは、妊娠までがどういう経緯で進んでいくのか、説明します。

  1. 女性の体内へ男性から精子が射精される
  2. 成熟した卵子が排卵される
  3. 卵管で卵子と精子が出会って受精する
  4. 受精卵が細胞分裂を続け、子宮内膜へ移動していく
  5. 子宮内膜へ根を張り接着し、着床する

この5つのプロセスを経て、妊娠が成立します。

着床まではさまざまな条件を乗り越えなくてはなりません。

例えば精子や卵子の質や量、子宮内膜の分厚さや質、母体の免疫状態など、無事に着床できるかに影響します。

卵子と精子

試験管の中からこぼれたたくさんのハートの画像

女性のからだで作られるのが卵子、男性のからだで作られるのが精子ですが、もう少し細かく説明していきます。

卵子

卵子とは、女性の卵巣から放出される細胞で、ヒトの細胞の中で最大の約0.12~0.15㎜の大きさとなるため、肉眼で見ることができる唯一の細胞です。

また、精子が運ぶDNAの半分以外と、生命の原材料すべてが詰まっている妊娠の主役といえる細胞です

女性は産まれる前の胎児のときにすでに卵子が体内で作られていて、卵子の大もとの原子卵胞という形で一生分ができあがっています。

原始卵胞は胎児のころが一番多く500~700万個、出生時には200万個、出産の準備ができる年齢になるころには10~30万個と、年齢があがるごとにどんどん減っていくのです。

生理周期とは関係なく、卵子は1日30~40個ほど育ちますが、ほとんどすぐ消えてしまいます。

ほんの一部が数ヵ月かけて成熟し、1番成熟した卵子1個だけ、月に1回卵巣の壁から外へ飛び出すのが排卵です。

周期に合ったタイミングで成熟していた卵子が排卵され、排卵した卵子以外の残りはすべてなくなってしまいます。

卵子の寿命は排卵後24時間で、受精可能な時間は6~8時間です。

排卵から受精までの日数は、1日以内と考えられます。

精子

精子とは、運動能力を持つ生殖細胞で、約0.06㎜ほどの大きさです。

10歳前後から1日約5000万~数億個、死ぬまで作られ続けます。

精巣という器官で、約70日間かけて絶え間なく作られ、約2週間して成熟し動き始めます。

作られてから射精されるまでは約3ヵ月かかるため、過去の3ヵ月の体調が今の精子に影響を与える可能性があるでしょう。

DNAの設計図を半分持ち込み、卵子の生命活動を促す役割を担っている細胞です。

膣から子宮内を進み、卵子が待つ卵管を目指して移動していきますが、熱に弱く99%は子宮までもたず死んでしまいます。

精子の寿命は24~27時間で、膣内に入ると2~3日まで寿命が延び、射精して約5~6時間後から受精可能です。

受精から着床までの症状

体調が悪そうに椅子によりかかり天を仰ぐ女性の画像

卵管の先で受精した受精卵が、細胞分裂を繰り返しながら卵管を通って子宮内膜に根を張り接着すると着床完了です。

適切な量の女性ホルモンの影響を受けて、適切な子宮内膜の環境があり、また免疫系の正常な機能があるという条件が整うことで、正常な妊娠が成立します。

この間にさまざまな症状があらわれることがあるため、体調の変化で妊娠に気づくかもしれません。

ここでは、受精時と着床時のからだの変化について、説明します。

受精時によくある症状

受精が成立すると、女性ホルモンの影響で体調が少しずつ変化していきます。

症状があらわれるのは排卵のタイミングと近いため、最後の生理から約2週間後です。

ホルモンバランスの変化により、頭痛や眠気、腰痛などの症状がおこりやすくなります。

プロゲステロンという女性ホルモンが増加すると、脳の血管が拡張されて脳の神経を刺激しやすく頭痛がおこることや、体温が上がったり眠気を感じたりする原因にもなります。

ホルモンバランスの変化で子宮内膜の状態が変わることから、腰痛を感じる人もいるでしょう。

着床時によくある症状

受精卵が子宮内膜に着床すると、からだにさまざまな変化がおこりやすくなります。

着床時期によくあるからだの変化について、知っておくと安心です。

基礎体温の変化

通常の基礎体温は排卵後に上がり、生理の直前になると下がる傾向にあります。

着床し妊娠が成立したら、プロゲステロンの分泌量が増え、生理の直前になっても基礎体温は高い状態のままです。

グラフにすると目で見てわかりやすく、妊娠の目安となりやすいでしょう。

生理が来ない

1番実感しやすい変化は、生理が来なくなることです。

通常の生理周期では、生理が始まる日までに黄体ホルモンの分泌が少しずつ減少して、成長していた子宮内膜が剥がれ落ちて生理を迎えます。

着床した場合は、黄体ホルモンが減ることなく多く分泌され、子宮内膜は剥がれ落ちず成長を続けるため出血しません。

着床出血

受精卵が子宮内膜に着床するとき、血管を傷つけてしまい、少量出血してしまうことがあります。

着床が完了したことがわかるサインのひとつです。

着床出血の時期は着床前後の1~2日で、出血量が少ないのが特徴ですが着床しても出血しない場合もあります。

生理予定日とほとんど同じタイミングのため、生理と間違いやすい出血です。

通常の生理と比べると、1~2日程度の少量で茶色か血が混ざったような薄いピンクの出血がおこり、軽い生理痛の症状があるのが特徴です。

おりものの変化

着床時期は女性ホルモンのバランスが変化し、おりものにも変化があらわれます。

エストロゲンというホルモンの分泌量が増えて、おりものの量が増えやすくなり、普段より水っぽいおりものが出ることが多いです。

半透明だったものが乳白色や黄色っぽくなったり、着床出血によりピンクのようになったりします。

少し匂いが変わることもあり、酸っぱいようなきついにおいがすることもありますが、個人差があり変化がない場合もあります。

着床痛

正確には着床痛という症状は医学的に根拠があるわけではありません。

しかし、生理痛とは少し違う、チクチクやピリピリした腹痛や腰痛に似た症状を感じることが多いため、「着床痛」と呼ばれています。

他にも、胃痛やお腹や胸の張りなど、症状を感じる場合もありますが、なにも症状がないこともあり個人差が大きいのが特徴です。

つわりや風邪に似た症状

着床後は、プロゲステロンの分泌量が増え基礎体温が下がらず、微熱のような状態が続きます。

眠気や寒気、疲労感、吐き気を感じる人もいるため、つわりや風邪と勘違いしがちです。

妊娠の可能性が考えられるならば、市販の薬を飲むよりも病院で診察を受けてください。

月経前症候群(PMS)のような症状

hCGホルモン、黄体ホルモン(プロゲステロン)、卵胞ホルモン(エストロゲン)のような女性ホルモンの分泌量が増えることにより、着床時期にはホルモンバランスが乱れ、PMSのような症状があらわれる可能性もあります。

イライラや不安、倦怠感、気持ちが不安定になるなどのこころの症状と、腹痛や胸の張り、眠気や不眠、めまいなどのからだの症状を感じる人もいますが、個人差もあり感じ方も違うので、感じない人もいるでしょう。

受精から着床までの時間

砂時計を持つ手の画像

受精から着床開始までは、約7~10日間がかかり、着床が完了するにはさらに2~3日かかります。

卵子が受精し受精卵になると、5日ほどかけて細胞分裂しながら卵管を通り、子宮に向かって移動していきます。

排卵から6日経つころに子宮に着き、子宮内膜に根を張って、着床開始です。

排卵から受精までが1日以内とされているため、性行為をして受精するのもその日のうちということになります。

つまり、性行為(受精)から着床完了するまでの時間は、約9~13日です。

受精の可能性を上げるためにできること

手に持ったハートの裏に隠れてキスをする二人の画像

前述のとおり、精子の寿命は平均2~3日、射精後は6~36時間が受精可能とされています。

卵子の寿命は排卵から1日のため、排卵前に性行為をすると受精の可能性を上げられるということです。

排卵予想日の2日前から、30時間ごとに性行為のタイミングをとると、確率が高くなります。

精子の方が受精可能期間が長いため、卵管に新しい精子を待機させて卵子を待ち伏せする方法です。

また、同時に女性のからだの環境を整えておくことも大事な要素です。

ストレスをためないように気を配り、睡眠をしっかりとることで体内環境を整えてください。

喫煙や飲酒を控え、カフェインもとりすぎないよう注意しましょう。

妊娠の判定

妊娠検査薬を使うタイミングは、生理予定日から約1週間後が目安です。

使う時期が早いと、尿の中に含まれるhCGホルモン(妊娠すると分泌されるホルモン)がまだ少なく、陰性になる可能性があります。

もし生理が来ず妊娠検査薬を使っても陰性だったら、1~2週間様子を見てそれでも生理が来ないようだったらもう1度検査をしてみてください。

陽性が出た場合は、100%確実と自己判断はせずに、病院を受診して検査してもらいましょう。

まとめ

性行為から着床完了までは何日後になるかの答えは、通常9~13日です。

個人差があるため、もっと日数が必要になる場合もあります。

妊娠が成立するにはさまざまな条件が必要になるため、まずは健康的な生活習慣を心がけて、からだの準備を整えましょう。

そして、排卵日をきちんと把握し、適切なタイミングでの性行為をすることで、受精の確立が上がります。

着床にも条件が必要となり、女性の体調や年齢だけでなくストレスなども影響するため、過酷な条件を乗り越えた先にある妊娠は、奇跡のような確率です。

赤ちゃんが欲しいと妊活する場合は、適切なこころとからだの環境を整える意味でも、病院での指導を受けると安心です。

三軒茶屋ウィメンズクリニックでは、女性のライフパートナーとしてお一人おひとりに寄り添うため、日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医、日本生殖医学会認定 生殖医療専門医をはじめとする資格を持つ院長を中心とし、スタッフと共に安心してご相談いただける婦人科を目指しております。

妊娠についての不安や疑問などでお悩みの方は、三軒茶屋ウィメンズクリニックへお気軽にご相談ください。

#着床 #妊活 

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