卵子の質の低下

 最近では、妊娠できないそもそもの原因は、加齢によって卵子が老化することにあると考えられるようになってきました。

〇加齢とともに卵子も老化する

 卵子はその人の年齢と同じだけ年をとります。どんなデータでも、妊娠率は20代が最も高く、30代半ばまでは加齢とともにゆるやかに下がり、35歳を過ぎるとカーブは急激に落ち込みます。栄養バランスのよい食事、適度な運動、規則的な生活習慣などで体調をととのえることは大切ですが、卵子の質そのものを高める方法は、残念ながらありません。

〇AMH検査で卵巣にある卵子の数を調べる

 最近、不妊治療施設でさかんに行われるようになったAMH検査は、簡単に言うと、卵巣に残っている卵子の数がどれだけあるか、つまり卵巣予備機能を調べる検査です。若くても数値が低い人(卵子の数が少ない)、高齢でも数値が高い人など、個人差がとても大きいことが知られています。

 ただし、この検査では卵子の質はわかりません。AMHの値が低いと妊娠率が低いのではなく、不妊治療にかけられる時間が限られるということを示しています。自分の卵巣予備機能を知って、今後の妊活の方針を決める参考にするとよいでしょう。

〇着床前に受精卵の染色体異常をチェックする検査(PGT-A)

 PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)とは、体外受精によって得られた受精卵(胚)の染色体数を胚移植の前に調べる検査です。加齢により染色体数が増えることが知られていて、現在各国で妊娠率を上げ、流産率を下げる方法として行われています。

対象者は、

・直近の胚移植で2回以上連続して臨床妊娠が成立していない方

・過去の妊娠で2回以上反復し胎嚢確認後に流産をした方

当院はこのPGT-Aの施設認可を受けていますので、自費診療となりますが、ご興味のある方は担当医にご相談ください。

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