不妊治療のタイミング法とは?費用・治療の流れ・成功率をあげる3つの方法を紹介

不妊治療 タイミング法 費用

不妊に悩まれているご夫婦のなかには、治療に踏み込む前に費用面を考慮し、踏みとどまっている方は多くいるのではないでしょうか。

不妊治療にはさまざま治療法がありますが、そのなかでもタイミング法は比較的リーズナブルな費用で行える治療法の一つです。

しかし、タイミング法だけでは妊娠に至らない場合があり、何度も試みることになると費用が嵩むこともあります。

そのため、不妊治療を考えるご夫婦にとっては、費用面は重要なポイントになるでしょう。

そこで本記事では、不妊治療のタイミング法の概要や費用、治療の成功率を向上させるための方法について詳しく紹介します。

タイミング法とは

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タイミング法とは、最も妊娠しやすいタイミングに性交渉を行う不妊の初期治療です。

基礎体温・超音波検査・尿中LH検査などを参考にしながら排卵日を予測し、効果的な性交渉のタイミングを医師がアドバイスします。

タイミング法は最も自然な妊娠に近く、治療を受ける方にとって負担の少ない不妊治療のファーストステップです。

年齢や一人ひとりの条件により異なりますが、まずは不妊検査の結果排卵が確認され、精液所見に問題がなければ、タイミング法から治療を開始することをおすすめします。

日頃から基礎体温をつけることで、ある程度の排卵日を予測することは可能ですが、実際には排卵がご自身の思っているタイミングと異なっている場合があります。

月経不順がみられる場合は、とくに正確に予測することが困難になるかもしれません。

ご夫婦のタイミングによる性交渉でなかなか妊娠できないときには、一度病院で指導をうけてみることをおすすめします。

なお、自然周期によるタイミング法でうまく妊娠までいかない場合には、排卵誘発剤を併用して複数の卵子を採卵させ、受精の確率を向上させることもあります。

それでも排卵調整がうまくいかない場合には、体外受精を含めた別の治療法を考慮する必要があるでしょう。

タイミング法の対象となる方の特徴

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タイミング法の対象となる方の特徴は、以下の通りです。

  • 避妊を行わずに半年間性交渉をしても妊娠しない
  • 卵管に異常がみられない
  • 精子の数や運動率に異常がみられない
  • 医師が指定した日に性交渉ができる環境にいるご夫婦

タイミング法は、医師の指導のもとで自然妊娠することを目指します。

そのため、女性の方の場合は卵管の通過性に異常がないことが重要です。また、年齢は35歳くらいまでが治療を行う目処とされています。

男性の方であれば、精子の数や運動率に異常がみられないことが大切です。

検査の結果、精子の数が少なかったり動きが悪い場合には、泌尿器科を受診することをおすすめします。

また、タイミング法は妊娠可能期間を正確に捉えることで、妊娠の確率を高める方法であるため、スケジュールを守ることは欠かせません。

性交渉のタイミングはもちろん、排卵日の正確な予測や検査をするために、指定された時期に通院する必要があります。

例えば、出張が多い方や単身赴任で会う機会が少ないご夫婦など、スケジュールが乱れやすい状況下でのタイミング法は難しいといえます。

タイミング法の費用相場

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タイミング法の費用は、通院や検査の回数、薬剤処方の有無などが異なるため一概にはいえませんが、一般的には1回約2,000円〜3,000円程度です。

主に検査を行って最適なタイミングを確定する方法であるため、必要最低限の費用であれば診察代と検査代で済みます。

ただし、排卵日を予測するための超音波検査を月に複数回うけたり、排卵を促すための排卵誘発剤を処方する場合には、約1万〜2万円程度の費用がかかることもあります。

基本的にタイミング法は保険適用内となっていますが、2022年4月から少子化対策の一環として、その他の不妊治療に対する保険適用が開始されました。

保険適用となった治療法は、人工授精・体外受精・顕微授精などがありますが、対象年齢や回数の上限などが定められています。

タイミング法の次のステップに進む際には、適用条件を確認してから保険を有効に活用しましょう。

タイミング法の流れ

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タイミング法の流れは以下の通りです。

  1. 月経周期や過去の排卵の様子から排卵日を想定
  2. 超音波検査で卵胞の成長を確認し排卵日をより正確に判断
  3. 総合的に判断してタイミング指導の開始
  4. 指導にあわせて性交渉を行う
  5. 妊娠の成立

ここでは、タイミング法の流れを詳しく紹介します。

月経周期や過去の排卵の様子から排卵日を想定

過去の基礎体温のグラフを用いて、低温期から上昇期の数日を排卵日と推定します。

黄体の寿命は約14日間であるため、月経周期が規則的で28日型の方の場合、おおよそ月経周期の14日目が排卵日となります。

超音波検査で卵胞の成長を確認し排卵日をより正確に判断

排卵時期が近づいてきたら、経膣超音波検査で卵胞の大きさを測定し成長の確認を行います。

自然周期の場合には、卵胞径が12mm程度となってからは1日あたり約2mmのペースで成長し、卵胞径が18mm〜22mm程度になると排卵されるため、あと何日で排卵するかを予測しながらフォローします。

また、排卵期には頸管粘液の性状も変わります。

排卵時期以外は子宮内に細菌が侵入するのを防ぐために子宮の入り口をブロックしている頸管粘液ですが、排卵が近づくことで精子を受け入れやすくするため、透明でよく伸びる性状に変化します。

総合的に判断してタイミング指導の開始

卵胞の大きさや子宮頸管粘液の性状など、排卵するための条件が整ってきたら、尿中LH検査を行い全てを総合的に判断して排卵日を推定します。

黄体形成ホルモンは、一般的に排卵の10〜12時間前に分泌がピークになるため、排卵予測の指標となります。

ここで具体的に性交渉を行うタイミングを指導します。

指導にあわせて性交渉を行う

必要がある場合には、排卵のタイミングがあっていたかどうかを後日超音波検査を用いて確認します。

基礎体温の上昇も、排卵があったかどうかの重要な手がかりです。

黄体機能の評価である黄体ホルモン検査は、排卵確認後の指定した日に検査を行います。排卵が確認され、タイミングがあっていればあとは妊娠を待つだけです。

妊娠の成立

月経予定日頃、女性の体内で分泌されるホルモンである「hCG」という物質の分泌量を計ることにより、初期妊娠の判定を行うことが可能になります。

hCGは母体と赤ちゃんを繋ぐ絨毛の細胞から作られています。

妊娠していない女性の体内で生産されることのない成分であるため、その量がある程度確認できた時点で、初期妊娠の成立と判断されます。

不妊治療の成功率をあげる3つの方法

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年齢を重ねるごとに、卵子の質が低下する・卵母細胞の数が減少する・精子が衰えるなどの変化で、妊娠が難しくなります。

少しでも成功率を向上させるには、不妊治療をしっかりと行った上で、生活習慣を見直し改善していくことが重要です。

ここでは、不妊治療の成功率を向上させる3つの方法を紹介します。

なるべく身体を冷やさない

身体を冷やすことで血液の循環が悪くなり、卵巣機能の低下につながる可能性があります。

逆に体温を上げることで、血流が良くなるために必要なホルモンが卵巣に届きやすくなり、卵胞の成熟につながりやすくなります。

身体を冷やさないためには、とくに以下のことを心がけてください。

  • お腹を腹巻等で温める
  • 38〜40度の湯船に浸かる
  • 温かい飲み物を飲む
  • 定期的に有酸素運動を行う

可能な限りストレスを溜めない

日常生活のなかでストレスが過剰にかかると、ホルモンのバランスが乱れ、排卵に影響が生まれることがあります。

そのため、十分な休養をとり、リラックスできる時間を確保することが重要になります。

また、ストレスを減らす習慣作りも大切です。例として、人によっては以下のことを取り入れてみるのも効果的でしょう。

  • SNSの情報を遮断する
  • イライラした気持ちを紙に書き出す
  • 1日15分以上のウォーキングを行う

SNSは知人との交流に役立つ反面、出産報告や家族写真などを目にして落ち込んでしまう可能性もあります。

マイナスな感情が起きにくい環境を作ったり、ご自身にあったストレス解消法を見つけることが大切です。

妊娠に必要なタンパク質や栄養素を摂取する

タンパク質は、細胞の増殖や代謝に必要な酵素の原料です。

また、卵子や精子の細胞繁殖にも関わっているため、タンパク質が不足すると妊娠の可能性が低下してしまう恐れがあります。

実際不妊治療を行う方の多くに、代謝の低下がみられることがわかっています。

そのため、タンパク質が豊富な卵や大豆製品、豚の赤身肉などの食品を積極的に摂ることが重要です。

併せて、青魚やナッツ類に多く含まれる良質な脂質を摂るようにしましょう。

体内で生成されない栄養素に関しては、サプリメントや医薬品で補うことも考慮してください。

とくにビタミンDには卵子の成熟を促す作用があり、ビタミンDの十分な摂取が着床率や妊娠率に良い影響を与えたとする報告もあります。

男性の方は、亜鉛が不足することで精巣の機能不全につながる可能性があるため、必要な量を摂取するよう心がけましょう。

まとめ

この記事では、不妊治療のファーストステップでもあるタイミング法の概要や費用相場、治療の流れを詳しく紹介しました。

タイミング法は、人工授精や体外受精などの治療法と比べて、比較的リーズナブルな治療法です。

また、その他の治療法に関しても、2022年4月から保険適用されたことにより、以前よりも不妊治療に踏み込みやすくなったといえるでしょう。

三軒茶屋ウィメンズクリニック」でも、人工授精や体外受精などの基本治療は全て保険適用されます。

当院では、患者さん一人ひとりに寄り添った治療法を提案しており、不妊に対する正しい知識や治療を行う上での注意点など、患者さんの視点からさまざまな勉強会や説明会も行なっています。

不妊に対して悩みを抱えているご夫婦は、ぜひ当院までご相談ください。

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